ボランティアは市場経済では計れない価値を生む。例えば東日本大震災では、全国から集まった学生たちががれき撤去や炊き出しを行った。彼らの労働を時給換算すれば莫大な金額になるが、重要なのは金銭以外の効果だ。被災者が感じた「孤立していない」という安心感は、経済指標に表れなくても社会復興の原動力となった。
次に、参加者自身の成長を促す点が挙げられる。フィリピンで環境保護活動に参加した友人Aさんは、現地の貧困問題を知り「自分に何ができるか」を真剣に考えるようになった。このように、現場体験は教科書では得られない気づきを与え、視野を広げる。特に多感な若者にとって、これはキャリア形成以上に貴重な自己投資と言えるだろう。
さらに重要なのは、社会の分断を防ぐ接着剤としての機能だ。東京の事例だが、外国人住民と日本人が協力して公園整備を行う「グリーンボランティア」では、活動後の交流会で互いの文化理解が深まった。SNSが普及した現代だからこそ、顔を合わせて共に作業する経験が偏見を減らし、多文化共生を実現する。
反論として「自己犠牲になりがち」という意見もある。確かに無理をしては持続できないが、最近は週1時間から参加できる「マイクロボランティア」も増えている。大切なのは、自分のできる範囲で継続することだ。
結論として、ボランティアは「与える」だけでなく「得る」ものの大きい行為である。災害対策だけでなく、高齢者見守りや環境保護など、行政だけでは解決できない課題が増える21世紀において、その意義はさらに高まっていくだろう。
课程顾问
