日本留学体験記:異文化の中で成長した2年間
はじめに
こんにちは、日本語教師の田中と申します。今日は、私が25歳で日本の大学院に留学した際の体験を皆さんと共有したいと思います。日本語教育に携わる者として、また元留学生としての視点で、失敗談や気づきを交えながらお話しします。
1. 留学を決めたきっかけ
大学で日本語を卒業後、実際の日本文化への理解不足を感じ、「教科書の日本語」と「生きている日本語」のギャップを埋めたいと思ったのが留学の理由でした。特に、関西地方の方言やビジネス敬語に興味があり、大阪の大学院を選択。
アドバイス:
「なんとなく日本が好き」という気持ちだけでなく、「何を学びたいか」を明確にすると、学校選びやビザ申請の際に役立ちます。
2. 生活面でのカルチャーショック
ゴミ分別の厳しさ:ペットボトルのラベルとキャップを分別する必要性に最初は戸惑いました。
時間厳守:アルバイトの面接で1分遅刻し、厳しく注意されたことは今でも教訓です。
人間関係の距離感:クラスメートと「仲良く」なっても、SNSを交換しないことが多いことに驚きました。
対処法:
地域の「国際交流サロン」に参加し、日本人ボランティアに質問するのがおすすめ。私もそこで「日本人はなぜ『大丈夫です』を断りの意味で使うのか?」といった疑問を解決できました。
3. 授業・研究で苦労した点
課題1:アカデミックな日本語
ゼミで「~である調」で論文を書く必要があり、過去に習った「ですます調」しか知らず苦戦。教授に「この表現は口語的だ」と指摘されることも多々。
解決策:
大学の日本語ライティング支援室を活用。特に「~とのことである」「~と考えられる」などの学術表現をリスト化して覚えました。
課題2:グループワーク
日本人学生は「空気を読む」ことを重視するため、意見を求められないと感じることも。積極的に「~についてどう思いますか?」と介入する練習が必要でした。
4. アルバイトで得た生きた日本語
居酒屋でのアルバイトでは、以下のような「教科書にない日本語」を学びました:
「お冷やお願いします!」(水の提供を客が催促する表現)
「あとでおあいそお願いします」(会計を求める隠語)
注意点:
飲食店のバイトは語学力向上に役立ちますが、深夜労働で体調を崩す留学生も多いため、シフト管理は慎重に。
5. 留学生活で最もよかったこと
「日本的な曖昧表現」の理解が深まったことです。例えば:
「検討します」=「おそらく断ります」
「少し難しいですね」=「不可能です」
この気づきは現在、私が日本語教師として学生にニュアンスを教える際に大変役立っています。
おわりに:留学を考えている方へ
日本留学は語学力以上に、「異文化適応力」を鍛える機会です。失敗を恐れず、小さな気づきをメモする習慣をつけてください。私も当初はコンビニで「袋は大丈夫ですか?」の意味が分からず、困惑したものです(笑)。
現在は留学生の相談に乗る立場となりましたが、皆さんからの「田中先生、どうすれば…?」という質問が私の糧になっています。日本で皆さんと会える日を楽しみにしています!
質問があれば、コメント欄でお待ちしています!
執筆者プロフィール
田中ゆり/日本語教師歴8年。大阪大学大学院で日本語教育学を専攻。現在は東京の語学学校で教鞭をとる傍ら、留学生向けYouTubeチャンネルを運営。
课程顾问